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派遣社員が独学で簿記3級に合格するまで

  • 2019年9月21日
  • 2023年10月1日
  • 仕事
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派遣社員として働いていると、「いつまでこの職場で働いていられるんだろう…?」という不安がつきまといます。景気が悪くなる、会社が吸収合併される、そんな時にまっさきに切られるのが派遣社員です。「もしもの時のために、資格をとっておこう!資格があるほうが有利なはず!」そう思い、資格取得にむけて動き出しました。

簿記3級にチャレンジした理由

なぜ簿記3級かというと、派遣の求人情報を見ていると、「簿記2級程度の知識がある人を求む」という言葉を何度か見かけ、その求人はたいてい他より時給が高いことが多かったからです。

また、自分の得意は数字関係だという意識もあり、きっとできるだろうと思ったからです。

2級に合格するためには、まず3級から!やりきるぞ~。

簿記3級に受かるための学習方法

まず大型書店に参考書を買いに行きました。日商簿記3級の本が何種類かあります。実際に何ページか読んでみて、 一番わかりやすそうな本を探しました。

購入したのは、この本です。 イラスト入りでカラフルな点が気に入りました。

問題集を買おうか迷ったのですが、「最小限の出費で合格したい!」という気持ちから、参考書だけを買いました。さあ、さっそく勉強です!

まずは参考書を一から読んでいきます。勉強の仕方や、検定試験の時期や受験料、配点などについて、いろいろと書いてあります。今の段階では「この情報はここに書いてあるんだな」と把握する程度でよしとします。

次に「簿記とはなにか」が、会話形式で楽しく書いてあります。簿記を勉強しておくと、こういう利点があるんだ!とわかることでモチベーションがアップします。「簿記ではこういうことをやる」というのもわかるので、これからなにをどういう順序で学んでいくのか把握できます。

この教科書はチャプター1から12まで、例題を交えながら進みます。チャプターが終了するごとに基本問題があります。

基本問題といっても、たった一度読んだきりですぐできるわけがありません。例題を読んでいるときはわかったつもりでも、いざ問題を解くとなると、「どうやるんだっけ?」「これでいいのかな?」となります。

そういう時は説明箇所にもどり、答えを書いてみて、すぐに答え合わせをします。時には答えをみてから「ああ、そういうことか~」と、やっとわかることも。

先は長そうですが、最初はそんなものです。気長に取り組みましょう。

一度やったからといって、すぐ次には進みません。もう一度同じチャプターに戻ります。そして今度は、例題の答えを隠して、自分で解きながら進んでいきます。ここがポイントです。

例題は基礎中の基礎です。例題を一問一問解いていく、この積み重ねが大事です。

理屈を完全には理解できていなくても、手を動かし問題を片づけていくことで、処理方法が身についていきます。そしてあとから「あ、こういうことだったのか!」とわかる時があります。また基本問題までたどり着いたときには、一回目より確実に正解が増えているでしょう。

でもまだ間違えたり、わからない問題もあります。ここでくじけずに、また解説を読んだり、説明箇所に戻ったりして、少しずつでもできるようにしていきます。二回やってできない箇所があっても、今度は次のチャプターに進みます。

この調子でチャプター6まで終わったら、今度はチャプター1~6の基礎問題だけをもう一度やります。ここで3分の2もできていれば万々歳です。最初のほうを忘れてしまっていても無理もありません。ただここでいったん思い出して、復習して確実にしていきましょう。それからチャプター7へと進みます。

チャプター7から9も同様に、チャプターごとに2回ずつは勉強しましょう。ここらへんから表を書き替えたり、計算が増えたりします。頭の中だけで理解できたとしても、面倒がらずに実際に手を動かしてみましょう。そうすると試験当日も考えるよりまえに手が動き、処理スピードが速くなります。

チャプター10からいよいよ決算手続に入ります。ここから少し難しくなります。特に繰延べと見越し、勘定の締め切りに関しては、正直今でもあやふやな部分があります。「えー、なんで?」とわからないながらも、「ここはこうやるものなんだ」と暗記だけしたところが何カ所かあります。

チャプター10に入った時点で試験まであと2週間たらず!時間が足りないーー!まだ怪しい箇所がたくさんある。そんな状態でとうとう試験当日になってしまいました。

試験当日

試験なんて何年ぶりでしょうか?!緊張したのか電車を乗り間違えたりしながら、試験会場へ。筆記用具と電卓、受験票、本人確認書類を机の上に置いて、あとはバッグに入れておきます。試験時間は120分。

試験官の合図で問題を開くと、まずは仕分の問題です。これは大丈夫なはず……が、いきなり見慣れない単語が出ています。それは「普通預金」。知ってはいるけれど、教科書には一度も出てこなかった!当座預金と同じ扱いでいいのかな???おそらく単純な問題のはずなのに、戸惑って意外と時間がかかってしまいました。

回答欄への書き方にも戸惑いました。いつも自分のノートにメモ書きする程度だったのでわかりませんでしたが、回答用紙に記入するとなると少し勝手が違います。

残高試算表に金額を記入していったところ、あらかじめ印字されている数字に桁をそろえたほうがいいことに後から気づき、かなり書き直しました。ここでもかなりのタイムロスです。 苦手な第5問でじっくり考える時間がなくなってしまいます。

わからない箇所をとばして最終問題まで終わらせ、とばした箇所をあとから埋めていきます。焦る気持ちを抑え、必死に考えます。そして試験終了!

まわりの受験生もほぼ全員、時間ぎりぎりまで問題に取り組んでいました。終了時間まえに退出した人は、ほんの2~3人だけです。

「たぶん落ちただろうな……でも、もしかしたら受かっているかも……」

唯一の救いは、得意とする「試算表」が出題されたため、ある程度の点がそこで取れたであろうということです。

反省点

・過去問を解いていなかった

 過去問には、あたりまえのように「普通預金」が出ていました。過去問を解いておけば、戸惑うことはなかったはずです。

・決算について準備不足だった

 十分に勉強する時間がないまま、受験当日を迎えてしまいました。計画性が必要ですね。

・時間が足りなかった

 過去問で実際の解答用紙になれておけば、書き直すことにはならなかったでしょう。

明らかに、過去問を解いていないことが敗因です。問題集のための1000円ちょっとをケチったせいで………悔やまれます。

合否

合否はネットで見られます。ドキドキドキ…。結果画面は予想よりも早くパっと出てきて不意打ちされます。

「不合格」

ガーーーーーーーーーーン!!!し、しかも……

「1点だけ足りないーーーーーーーーー!!!」

なんと、まさかの1点足りずに不合格!信じられない!10点足りないより悔しい!あとたったの1点、どこか1つだけできれていれば…思わずそう考えてしまいます。これから次は必ず受かるはず…そう考え、2度目の受験を決心しました。

2度目の受験

前回の反省点をふまえ、さっそく問題集を購入。参考書と同じシリーズを選びました。

巻末に本番の試験と同じサイズの模擬試験と回答用紙がついています。これで試験当日に記入方法で悩むこともなくなるはず。

問題を解き、答え合わせをすると、弱点はやはり繰延べと見越し、勘定の締め切りであることが明らか。参考書にもどり、重点的に復習していきます。

「次は絶対に受かりたい」と思う反面、「あと1点だけ取れればいい」「次は受かるだろう」という気持ちもわいてきて、つい気がゆるんでしまいます。試験まで数か月間ありましたが、問題集を開かない月さえあり、勉強時間はだいぶ少なくなってしまいました。

2回目の受験に備え、買ったものがもう1つあります。それは「計算機」です。

試験は時間との勝負でもあります。普段から使っている計算機で、正確に計算することが大事です。勉強の段階から、試験当日に使用する計算機を使って慣れておきましょう。

2回目の試験当日

前回とは違う会場となりました。会場に入ったときに驚いたのは、時計がなかったことです。試験中は携帯はしまわないといけないので、時間がわかりません。

しかたがないので、あまり時間は気にせず「できるだけのことをやるだけだ!」と開き直りました。「自信はないけれど、1回目よりはだいぶできた」というのが感想です。

腕時計はシンプルなものなら1,000円前後でも買えるので、ぜひ持っていくことをおすすめします。

2回目の合否

たぶん大丈夫だと思うけど、計算間違いしていることも考えられるし、心配です。今回だめだったら、もう受けたくないな…。不安な気持ちで結果を開きます。

結果は「合格」!!やったーーーーーー!!

なんと点数は74点。前回より5点上がっただけ。ぎりぎりとも言えるでしょう。これだけ時間もあったのに、どれだけさぼっていたかがあらわれています。が、とにかく合格は合格。一安心です。

さっそく派遣会社のマイページを開き、取得資格の欄に「日商簿記3級」を追加しました。

簿記3級に合格して感じたこと

わたしは現在、無期雇用の派遣社員として就業中です。合格したからといって昇給するなんてことはもちろんなく、派遣先の上司が知ることさえありません。派遣会社の人も、わたしの資格が1つ増えたことなんて気づいてさえいないはずです。

でも得たものはたくさんあります。努力して目的を達成したんだ、そういうことができる人間なんだ、という自信となりました。他にももっとできる、という意欲にもなりました。

仕事して、家事をして、子どもや家族に気を配り、そんな毎日の中で勉強して合格できたというのは、なかなかすごいことだと思っています。

こんなに勉強したのは学生の頃いらい、数十年ぶりでしたが、本当に楽しかったです。わからなかったことがわかるようになる、できなかったことができるようになる、というのはこんなに楽しいことだったのか!と思いました。

さぁ、次は簿記2級…難しそうだなぁ。

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