水辺にスラリと咲く花菖蒲は曇り空でも見る人を爽やかな気分にしてくれます。紫からピンク、白の多彩なグラデーションが日本庭園を華やかに彩ります!
堀切菖蒲園とは
堀切菖蒲園は東京都葛飾区にある日本庭園で、古くから花菖蒲の名所として親しまれてきました。江戸時代には「江戸百景」に数えられ歌川広重の浮世絵などにも登場しています。約7,700㎡の園内には200種6,000株の花菖蒲が植えられ、5月後半から6月中旬に見頃を迎えます。希少な品種も鑑賞できるため愛好家にも人気が高い菖蒲園です。花菖蒲の他にも梅、藤、冬桜、牡丹など四季折々の花と緑を楽しめます。
葛飾区といえば「男はつらいよ」の柴又、「こち亀」の亀有など下町の風情が漂う観光名所が盛りだくさん。ぜひカメラ片手にプチ旅行を楽しんでみませんか?
堀切菖蒲園で花菖蒲に見惚れてきました
堀切菖蒲園は京成電鉄の堀切菖蒲園駅から徒歩約10分。川辺に群生するさまを勝手にイメージしていたのですが、実際はとてもきれいに整備された日本庭園でした。2018年にバリアフリー化され新装オープンしたそうです。
園内は14の圃場に分けられ、圃場の番号と、株分けされて何年目かがわかるよう札が立てられています。花菖蒲は 3年に1度は株分けが必要だそうです。1~2年目の圃場は花が少なめです。
通路沿いの花菖蒲には品種名の札もあり、日本的で美しい名前がたくさんあって楽しめます。「清少納言」「十二単衣」「酔美人」「星月夜」「海王星」という名前もありました。
3年目の圃場は花が密集して咲いていて、とてもきれい! 堀切菖蒲園では同じ品種が1列に並んだ「列植え」ではなく、異なる品種が入り交じった「ランダム植え」で同じ品種や色が隣り合わないよう工夫しているそうです。
ハナショウブ、アヤメ、カキツバタの違いをご存じですか?通路にあった看板がとてもわかりやすかったのでご参考までに。でも花だけで見分けるのは至難の業でしょう。
花菖蒲は発祥地により「江戸系」「肥後系」「伊勢系」に区分され、他にも長井古種、外国種があります。 また江戸末期から多くの品種を作出した松平左金吾定朝、通称菖翁(しょうおう)の作出した品種を江戸花菖蒲の中でも特別に「菖翁花」(しょうおうか)と呼びます。
花菖蒲には脈や筋、絞りや砂子(すなご)といった模様があります。こちらは「絞り」か「砂子絞り」だと思われます。うーん、難しい…
こちらはおそらく、脈入りの花菖蒲
しっとり柔らかそうな花びら。触れてみたい…
粋な浴衣のようです
純白なようでいて、よく見ると鉾の部分に青紫の縁取りが入っています。明治時代に作られた「武蔵川」という品種。白が美しい!
大きな花弁が三枚のものを 三英(さんえい)といいます 。大きな花弁が六枚あるものは六英(ろくえい)、おしべなどが弁化して花弁が9枚程度になり重なるものは八重(やえ)です 。
雌しべが立ち上がり花弁が垂れ下がる姿が、花全体の美しさを一層際立たせます。
紫から白にかけてのグラデーションが多彩で華やか!
どんよりとした雲の下でも爽やかで涼し気です。
淡い色の花菖蒲が集まるとかわいらしい雰囲気に。
園の奥には池があり、水面に花菖蒲が映っています。雅な風景ですね。
まとめ
江戸時代から庶民に愛されてきた堀切菖蒲園。ボリューム感のある豪華な花菖蒲、儚げな花菖蒲、 落ち着いた色合いの花菖蒲、淡い色の可憐な花菖蒲、さまざまな美しさを持つ古花をこれからも大事に受け継いでいきたいですね。
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